世界史の中で「旅人」として名を残した超有名人物がいます
ある人は、新しい世界を発見
ある人は、新しいものを発見
ある人は、そのまま帰って来ず...
現代風の「バックパッカー」ですが、飛行機も船も未発達な昔において旅は相当困難なチャレンジでした
旅をもっと困難にしたのは、すべてが「未知」であることでしょう
SNSもgooglemapも何もないもの
そんな「未知」の開拓に乗り出て名を残した「旅行家」たちによる「旅行」をみていきましょう
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イブン・バットゥータ(モロッコ)
世界史で旅人といえばこの人!
彼が生まれたのは、1304年のマリーン朝のモロッコで、大航海時代よりも200年以上昔です
大航海時代より前が超ポイントで、踏み入れる先がまだまだ「未知」の世界であって、普通の人にとっては異常とも映る行動だったのかもしれません
イブン・バットゥータが「旅」をしたのは以下の経路で、既知のイスラーム世界から、非イスラーム世界の東ヨーロッパや東南アジアまでも足を運びました
彼の旅行記『諸都市の新奇さと旅の驚異に関する観察者たちへの贈り物』(تحفة النظار في غرائب الأمصار وعجائب الأسفار tuḥfat al-naẓār fī ġarāʾib al-ʾamṣār wa-ʿaǧāʾib al-ʾasfār、通称Rihla)は、偉大な書物で、彼の壮大な「旅」を感じとることができます
鄭和(中国)
鄭和(ていわ)は中国の明の時代の永楽帝に仕えたイスラーム教徒で、宦官です
永楽帝の時代には、宦官を明の統治の生きがいに派遣して、朝貢を促す「中華帝国」を再現しようという試みがなされてました
そこでこの鄭和が南海へと派遣され、大艦隊を編成して、明の国威発揚と朝貢貿易の拡大につとめました
「南海の大冒険」は以下のように展開して、もっとも遠いところだと、アラビア半島も通り過ぎて、東アフリカまで到達したとされてます
実は鄭和の死後、艦隊の部下たちによって南アフリカを経由してカリブ海へと到着したであろうと記録も残されており、
「実質の世界初の世界一周を成し遂げた人」と確固たる証明がなされる日も近いかもしれません
(ただ、死後なので真相はまだまだ諸説があり闇に包まれたままです)
フェルディナント・マゼラン(ポルトガル)
世界史受験生ならば皆知ってる、フェルディナント・マゼラン!ポルトガル出身です
上記の鄭和が「実質世界初の世界一周」がきちんと証明されなければ、このマゼランの艦隊が「世界初の世界一周」を達成した!ということになってます
大航海時代に駆り立てたのは「香辛料」の存在で、「香辛料」を手に入れる海のルートが開拓されました
多くの人が大海原に出航し、歴史に名を刻めた人はほ〜〜んのひとにぎり、って考えるとおぞましいですね...
実際にマゼランは以下の航路を辿って、香辛料諸島と呼ばれるモルッカ諸島を西回りで到達するルートを発見しました
マゼランは思わぬ場所で最期を迎えることになりますが、その場所とはフィリピンのセブ島!
日本人に超人気なあの観光アイランドです
そこでの王様ラプ=ラプは、フィリピンにおいて今でも外敵を打ち破った英雄として語り継がれてます
フランシス・ドレーク(イギリス)
大航海時代以降に世界一周を成功させ、イングランド初の世界一周成功者となったフランシス・ドレーク!
もはやワンピースの世界観が強すぎwですが、リアルの世界に存在した海賊です
正式には海賊(私掠船船長)海軍提督で、あのアルマダの海戦では艦隊の司令官としてスペインの無敵艦隊を撃破しました
ワンピースでいうマリンフォード頂上決戦で無敵の白ひげ海賊団が破れるみたいな、嘘のような本当の歴史です
以下はドレークの航路でして、エリザベス女王が海賊行為を公認してたのもびっくりですね
相手の船に襲いかかり、財宝を略奪する海賊行為をした後、その一部をイギリス王室におさめる義務との引き換えに公認されてたようです
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イブン・ジュバイル(ナスル朝)
イブン・ジュバイルは12世紀から13世紀にかけてのイスラーム教徒の旅行家!
世界史の中でも中世アラブ世界の旅行家・冒険家は歴史に名を刻むほど影響力を持ちますが...
なぜイスラーム教徒の旅行家が突出してるのか
それは、イスラーム教徒の宗教義務の「ハッジ(メッカ巡礼)」がおおきく関わってきます
12世紀の時代では交通網や羅針盤はまだまだ発達してたわけでじゃないので、ほぼ不可能な挑戦だったかもしれません
小型船やラクダを駆使して旅路を歩むわけですが、かな〜〜り長い年月を要します(以下はイブン・ジュバイルの旅路です)
また、当時に記録文書はあまり残されてないため、彼残した紀行文は、巡礼の旅路の諸都市の特徴を描く貴重な史料となりました
当時の十字軍、ノルマン朝、シチリア王国に関しては、かなり詳細な情報がリアリティある描写で残っており、中世の地中海を知る上で重宝されてます
まとめ:今考えたらすげえよなあ
とまあ真面目に、世界史に名を残した5人の「旅人」たちについて紹介しました
彼らの残す書物を読んでみると、リアリティ溢れるその当時の情景や風景までが浮かび上がってきます
今では「旅人」はインスタグラムやgoogleを使ってしまえば、簡単にすぐに情報共有できて、「へ〜〜いいね」ってなってしまいます
でも当時の人にとって、普通に生活してたら触れることのない「異国」の情報は半ば信じられないものだったはず
こうした「旅人」たちは、誰もが訝しげな当時の「未知」を開拓して、「未知」を目の当たりにし、「未知」を書き残した点で、やっぱりすげーな!って感じです
当時の人になりきって彼らの書物を手にとってみると衝撃の連続です、ぜひ参考にしてみて下さいね