「世界史で勉強した人ならわかるはず!」「イスラームの六信五行は覚えてる?!」
イスラームには断食(ラマダーン)の月があります
日本人にとって、断食はファスティングとくっついたダイエット的な行いとイメージしがちですが、宗教行事の断食
「えー!食べ物食べないことが宗教行事なの?!」
と思った人へ。ラマダーンにはきちんと訳があります
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ラマダーンって何かっていうと・・
ラマダーンは月の名前!
「ラマダーン=断食」ではないので注意しましょう
なのでイスラーム教徒が断食を行う約1ヶ月を「ラマダーン」と呼びます
この期間では、日中の飲んだり食べたりすることを断ち、神(アッラー)に感謝します
*ちなみに2018年は5月16日の夕方から6月14日の夕方まで!
このブログ執筆の約1週間後にはラマダーンは終了します
神(アッラー)への感謝はどんなふうにっていうと
- 空腹や自己犠牲を経験する!
- 飢えた人や平等に対する共感を育む!
- 苦しい経験を分かち合うことで連帯感を強化する!
- 多くの寄付や施しを行う!
平等と生きることの尊さを感じ続けるためのものだったのです
イスラームとはもともと「平和」の意味が込められ、神様のもとでみんな平等
私利私欲に走ってしまいがちなのが人間の生まれつきの本能ですが、
ストッパーをかけるように平等を再認識させるのがラマダーン月の大きな役割です
ちなみにラマダーンってアラビア語で
(Ramaḍān) رَمَضَان
と書きますが、アラビア語は3つの文字の語根から意味が派生します
Ramaḍānの3文字語根は『ر』『م』『ض』で、「昼間が暑い」という自動詞になります
日本語には存在しない灼熱の砂漠世界を感じる「動詞」です
関連:難しい?!アラビア語のおすすめ参考書と勉強方法【初心者〜中級者編】
ラマダーンの期間は約1ヶ月
ラマダーンはイスラーム暦(ヒジュラ暦)の9番目の月のこと!
西暦610年、力の夜と訳される「カドルの夜」にクルアーンが預言者ムハンマドに掲示されてから、ラマダーンはイスラーム教徒にとって聖なる月となりました
ラマダーンの遵守に関して、クルアーン第2章185節にはこうあなります
ラマダンの月こそは、人類の導きとして、また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーン(コーラン)が下された月である。
それで、この月の新月を観測する者は、その月中、断食をしなければならない。病気の者、または旅路に
ある者は、後の日に、同じ日数を断食する。アッラーはあなたがたに易きを求め、困難を求めない。
あなたがたが定められた期間を全うして、導きに対し、アッラーを讃えることを求める。恐らくあなたがたは感謝するであろう
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ラマダーン時期の生活
ラマダーン月の間、ほとんどのイスラーム教徒は日の出から日没まで食べ物と飲み物を断ちます。
- 日の出前にはスフールと呼ばれる食事!(断食前)
- 日没にはイフタールと呼ばれる食事!(断食ご)
実際にアラビア語でのサウム(断食)はイスラームの5本柱のひとつの義務で、
食事・水分摂取・喫煙・性交渉を控えるものとしてあります
とまあ、断食前のイフタールはこんな感じ!
断食前の夜中から早朝に食べ、日中の断食に備えます
で、その日の断食後のイフタールはこんな感じ!
豪勢な食事が食卓に広がりますね〜〜
断食とはいえ、日没後にはしっかりたらふく食べまして...
通常の月よりラマダーン月の方が太ってしまう人が多々いるらしいとか・・
空腹状態で一気に食べてしまうと、体って急激に栄養吸収しますからね〜
でも空腹状態でいきなり食べて胃がびっくりしないように、
特にアラブの世界ではナツメヤシ(デーツ)を食べる習慣があります
これは預言者ムハンマドがそのようにしていたとか!
関連:アラブ世界の生命の果実「デーツ」が体と健康にいいぞ!って話
しかも空腹の胃を優しくケアするくらいの食物繊維も豊富です
イフタールの前に2、3粒を食べることで、胃の準備を整える合理的な知恵!
貧者と救貧とラマダーン
ラマダーンで重要な位置を占めるのがチャリティ(慈善運動)です
断食することで自己犠牲や空腹を経験して飢えた人への共感を育むことを重視します
ラマダーンの期間に、イスラーム京都のコミュニティは協力して貧しい人々への寄付を募ったり、衣類や食料を寄付したり、貧しい人々にイフタールの夕食をごちそうしたりします
ラマダーン中の挨拶は「ラマダーン・カリーム(良いラマダーンを)」や「ラマダーン・ムバーラク」(偉大なるラマダーン月)を使うと距離をぐっと縮められます
追記:ドバイのラマダーンがすごいw
ある遠征乞食がドバイで寄付を募ったところ、月収800万円相当の額が集まったとか・・・
イスラームの平等意識は凄まじいですね
関連:イスラームの喜捨(ザカート)がすごい!ドバイの乞食の月収は◯◯◯万円!
平等と共感がラマダーンの最重要ワードに位置するのは述べたとおり!
日本人には馴染みのない慣習かもしれませんが、
平等と共感に少しでも敏感になるためにも学ぶに値するでしょう