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大学院がつらい時に考えたい3つのこと【研究生活の理想と現実を言語化してみよう】

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こんにちは、まこさん(@sHaRe_worlD_) です。昨年体力・精神がボロボロになりながらも修士論文を提出できました(ぱちぱち)

 

振り返ってみると、大学院の生活は辛い時がたくさんありました

 

本記事では「大学院の生活がつらいな・・」と思った時に踏みとどまって考えたいポイントを書き残します

 

では早速・・要点はおおきく3つです

 

  1. 「理想」と「現実」のギャップを把握する
  2. ギャップを埋める方法を模索する
  3. 上記が難しい場合の選択肢を知る

 

具体的に順番にみていきますね!

 

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つらさへの対処①:理想と現実のギャップを把握する

iguana about to jump on concrete wall

 

「メタ認知」をご存知ですか? 

「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように、現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力である。 

メタ認知的知識とは、自分自身の状態を判断するための知識を指す。

引用:wikipedia

 

じぶんを第三者の目線でみつめなおすこと

 

悩める大学院生は漠然と辛い感・これ違う感を抱える傾向にあります

 

  • なんとなく、担当教授との波長が合わない、かも
  • 就活してた方がよかった、かも
  • 勉強嫌い、研究嫌い、修論終わる気がしない、かも

 

こんな感じです

 

ふわっとした理由で『つらい・・・』と自己洗脳に陥ってしまうんですね

 

ふわっとしてる=不明確さ・不確定さ持つと不安でネガティブな感情に見舞われやすいのが人間の傾向です

  

そこで

  • 大学院に入る前の『理想』
  • 大学院入った後の『現実』

 

 この差(ギャップ)を言葉(言語化)にしてノートやワードに書き出してみましょう。怖がらず現実の直視がポイント。病気の治療と同じです

 

特に

  • 大学院の研究活動
  • 大学院の研究以外の活動

 

大学院生(修士過程も博士課程も)の本業は研究以外のなんでもないので、この2つの視点で書き出すといいです

 

例えば研究活動に対しては...

 

  • 【理想】:研究室に入って毎日皆んなで研究するぞー!
  • 【現実】:皆んなというか個人プレイで文献・論文・史料を読む時間がほとんどだった

 

など、ギャップを紙上に書きなぐってみましょう

 

すると、一体何に不満足・不安を抱いているのかその対象が明確になります

 

ギャップは期待値の差です

 

期待してた値に届かなければ「幻滅」の言葉にあるように幸福度・満足度が下がってしまうのですね...(;_;)

 

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つらさへの対処②:ギャップを埋める方法を模索する

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大学院に入学(別名:入院)した後に感じる「理想」と「現実」のギャップ

 

「現実」を「理想」へどうやって近づけるかを限界まで考え、その道筋を作ります

 

例えばこんな感じ(上記と同じです)

 

  • 【理想】:研究室に入って毎日皆んなで研究するぞー!
  • 【現実】:皆んなというか個人プレイで文献・論文・史料を読む時間がほとんどだった

 

この「理想」「現実」から抽象化できるのは

 

「理想」は非・孤独、「現実」は孤独であること

 

ではどうやって「理想」に近づけるのかです

 

  1. 現実の孤独は研究の特質上(文献・論文・史料)不可避という現実を受け入れる
  2. 現実を受け入れた上で、同期と雑談・ランチの時間を作るという、脱孤独への現実的な方法を考える

 

な具合に「現実」の孤独から「理想」の非・孤独へ向けた方法を考え、道筋をたてて実行します

 

上記はあくまで研究活動のみの「ギャップ」を書き出し、それを埋める方法の一例にすぎません

 

悩み・不安・不満足を抱えて「つらい・・(;_;)」と悩んでる大学院生は、思いつく限り言葉にしましょう

 

二度言います、思いつく限り言葉・文章にしましょう

 

思考(無形)から言葉・文章(有形)にすると曇った霧が晴れ不安解消の糸口もみえてきます

  

つらさへの対処③:上記が難しい場合の選択肢を知る

person standing on rock near body of water

 

ここまでやってきて

  • 「根本から大学院が合わないや....もう無理orz」
  • 「結局つらいことにはかわらない・・」

と結論に至った場合【その他】のアクションコマンドを

 

  1. 休学してみる
  2. 就活してみる

 

大抵の場合どちらかです

 

(本記事では、海外放浪、起業、海外インターンなどのレアケースには触れませんw)

 

①:休学してみる

 「ここまでやってきたけど、大学院つらすぎ・・人生的にもったいない。でも大学院の意義について、これからの人生についてもう一度考えたい...」

 

という人は休学もありです

 

大学の「休学制度」を活用しましょう

  

  • 「本当にじぶんぶ研究がしたいのか??」
  • 「本当は違うことがやりたいのか??」

などを毎日の研究生活の日常から離れて客観的な視点で再考できます

 

②:就活してみる

経済的要因で中退も無きにしも非ず

 

進学の選択をした時点で、学部卒社会人と比較で、

 

およそ2年間の300万〜400万円×2年間の前者の収入と学費100万前後×2年間の後者の支出の差が生まれますよね

 

大学院修士課程修了後、会社に勤めるのは理系に多い進路

 

しかし、本来はアカデミック界の研究職につくために大学院の研究機関があります

 

研究職で大学就職するなら、博士課程を修了し、非常勤講師で活躍していかなければですがかなり年数を要します(30代40代でも助教授・准教授のポストにつけるのは珍しい)

 

「中退」の決断をし就活の道を選ぶのは、ある意味で『戦略的撤退』なのです

 

 補足:就活も手順を踏んで

就活市場では『既卒』扱いのため、新卒一括採用の枠からは外れてしまいます

 

ですが、基本的には新卒と同様のキャリアパスで社会人スタートが可能です

 

もしくは仕事を始める時期が他の新卒と重なる年齢のため、第二新卒的なポジションとして受け入れてくれる企業もありそうです

 

以下のエージェントは、既卒・第二新卒の就活に特に定評があるので参考にしてみてくださいね

 

 

とまあね

 

『戸惑いこそが人生だよ』

 

 あの海賊王ゴールド・ロジャーのパートナー(副船長)、冥王レイリーの言葉です

 

人生は選択の連続。つらい時もあるし楽しい時もある。大学院で研究するのは人生の中の選択のひとつにしかすぎません

 

「大学院での研究生活」は、長い人生からみると、わずから選択ですが、将来の生き場を決定づける大事なそして戸惑いの一場面です

 

「つらかったけど楽しかった!」 と振り返られることを祈ってます😌

 

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おまけ:大学院での生活のリアル (文系)

大学院の生活で「つらい・・」と感じるパターンは院生の数だけあるものの

 

「研究生活のリアルと自分の期待の不一致」がやはりこのつらさの元凶なのかなと思ったりします

 

現に僕の友達も大学院の生活に萎えて「つらい・・」毎日言いつつ、退学も考えていました

 

(ちなみに大学の退学率は以下の通り)

  • 大学院の修士課程中退率は5.13%
  • 大学院の博士課程中退率は8.79%

引用:文部科学省先導的大学改革委託推進事業

 

思った以上に多いなあとの印象を受けます

 

この生活でつらいと感じた時の対処はすでに紹介した通りですが

 

最後に大学院の生活のリアル(文系院生の1日)を紹介します

 

孤独な時間も多いし、いつも文献と論文とにらめっこだし、つらい人はつらい!好きな人は好き!とでもいえますね

 

「ふ〜〜んこんな生活するんだあ」ってながめてもらえたらなと思います

 

関連:大学院生(文系)は1日をどんな風に過ごすのか?【研究+勉強+バイトがスタンダードです】 

関連: 文系大学院生の生活と入学検討中の人へ伝えたい3つのこと

 

①:授業の予習+授業  

文系修士も学部生と同様に授業があります。加え、授業の予習も生活の時間の多くを占めますね

 

僕の場合(史学専攻)、授業は海外の「論文」の輪読、あるいは「史料」の解読といった授業が多かったですね

 

*授業の例(オスマン帝国時代エジプトの綿織り物産業の変化についてinアラビア語)

  •  〇〇ページから〇〇ページまで、訳を中心にレジュメ作成(予習)
  • 研究室の皆で各分担パートのレジュメ発表(授業)
  • 気になったところを随時質問(授業)

 

といった感じの授業です

 

史学科とはいえ海外研究(エリアスタディーズ)なので、情報のインプット時には「現地語」が必須でした

 

大学院入試の面接の頃、指導教授:「現地語で最低限史料が読めるように、準備してきてね^^」と言われて以降、時間を捻出して現地語の取得を目指しました

 

 いや準備ってwwww 

 

専攻はアルジェリア近現代史。植民地言語の「フランス語」および現地語の「アラビア語 」です

 

大学4年生の夏頃から本格的に勉強開始はしたものの、「準備」に相応するには結局至らず

 

予習の内訳に、語学学習の時間がたんま〜り入ることに....。

 

下記は「フランス語」「アラビア語」との格闘の軌跡です。誰かの参考になればなと思います

 

関連:フランス語の独学方法とおすすめ参考書決定版【初心者からフランス語1級まで】

関連:難しい?!アラビア語のおすすめ参考書と勉強方法【初心者〜中級者編】 

 

修了条件の単位数を要チェック

大学院(修士課程)でも学部時代同様に、授業を履修し必要単位を満たす必要があります

 

僕の場合は「歴史学」の修士課程

 

学部では4年間合計で128単位の取得が卒業条件でしたが、修士課程では2年間で36単位が修了条件でした

 

つまり1年で18単位。前期と後期それぞれ9単位ずつの履修で十分足りるのですね

 

ただ修士2年の後期(夏休み以後)は、修士論文執筆に時間のリソースを全て投下する勢いが大切ですね

 

1年生と2年生の前期に授業のコマを寄せるといいですよ(自戒^^;)

 

②:研究+研究関連の勉強 

上記の授業は「研究の基礎体力」を養うことが目的

 

院生(文系)は授業とレポートやテストを終えて完結するのでなく、2年生の2月頃に「修士論文」をまとめて提出します 

 

「修士論文」の完成を目指し、授業以外の時間で「研究」をする、というのが院生の生活の大半を占めます

  

実際の研究+研究関連の勉強の中身

 

  • 先行研究のリサーチ(文献・論文)
  • 史料探し+妥当性の検討(web上or現地図書館)
  • 語学(フランス語・アラビア語)
  • 研究進捗状況の発表準備

 

でした(;_;)

 

「ん?修士論文のための研究って?」という人に向けて整理すると・・

 

  • 教科書を読むことが「勉強」
  • 教科書を書くことが「研究」

 

と定義付けされてます

 

換言するならば.

 

  • 勉強は「すでに知られていること」を「知ること」
  • 研究は「未だ知られていないこと」を「知れる状態にする」

と言えますね

 

大学院は「研究する場所」の性質上、今まで知られてることをアップデートする新規性(オリジナリティ)が強く求められます

 

「それって先行研究とおんなじじゃん??」とぶった切られたらせっかくの論文が台無しになってしまう可能性も...

 

つまり

 

先行研究(すでに知られてること)をおさえること

 

これが研究でまず初めてに行うこと

 

次に新規性・独創性の付与を目指し「史料」を探して読み込み、新しい解釈を付け加える、といった流れになります

 

また、「史料」を読解・検討するために語学を勉強する、といった感じで勉強が加わります(僕の場合)

 

天才的な発明論文でない限り、従来の説や研究をひっくり返すことはできません(修士課程でほぼありえないです笑)

 

ただ、既存の論文への「上書き」が求められるのが大学院の研究なのですね

 

3:バイトと息抜き 

院生(修士課程)は特別な給付奨学金がない限り、収入源は親の仕送りくらいです

 

そこでバイトで生活費+研究費の資金調達を頑張ります

 

ただシンプルに「疲労」が研究を妨げてしまうので、体力的に負荷のかかるバイトは院生にはおすすめできません(;_;)

 

おすすめは下記の4つでしょうかね〜。身近な院生の多くはこのバイトをしてました

 

  1. TA(ティーチング・アシスタント)
  2. 学内図書館のバイト
  3. 塾、予備校講師・家庭教師
  4. 高校・中学の非常勤講師
  5. 治験バイト

 

現在進行形で院生でバイトを探してるという人は下記記事を参考に、資金調達をしてもらえたらなと思います

 

関連:大学院生(文系)におすすめのバイトを全紹介(実体験あり)【研究とバイトのバランスが大事です】

 

ざっくり週2、3の1日あたり3時間で入ってました。時給2000円で計算すると1ヶ月5万円前後のバイト収入がありました。ぎりぎりです(;_;)

 

しかし、バイトガチ勢になって研究できませんでした!修論終わりませんでした!は元も子もない院生の典型です 

 

実体験をふまえ

 

  • どこか研究に関連する
  • 頭脳を休めるリフレッシュ 

 

の条件で院生はバイトを見つけるといいでしょう

 

そしてバイト代を研究費(書籍代・海外渡航費)にまわすのが修士課程の学生なのかなと思います

 

経済的にはきつきつで苦学生のレッテルを貼られるのもわかります。しかし研究活動で培った学識・知見は将来に渡る投資です

 

何よりもお金では買えないプライスレスな経験=大学院という場所であるのは改めて強調するまでもないですね😌