こんにちは、まこさん(@sHaRe_worlD_) です。専門は中東・アラブ地域の歴史でしたが世界史の地域はどこでも食わず嫌いです。世界史関連ニュースのトレンドを追っかけたい!!
こんなニュースが2019年5月11日発表されました
約2000年前に建てられたローマ皇帝ネロ(Nero)のドムス・アウレア(Domus Aurea、黄金宮殿)で、修復作業中にきめ細かなフレスコ画で飾られた秘密の部屋が見つかった。作業を監督するコロッセオ考古学公園が10日、AFPに明らかにした。
ローマ皇帝ネロ?!?!
ドムス・アウレア?!黄金宮殿?!?
ひひ・・ひ・・ひ秘密の部屋??!?!
ん?
あーーーーっそ。へーーー何それ美味しいの
そんな感じだと思います。高校世界史で「ネロ」の単語が登場するくらいですよね。全然それで大丈夫です
本記事では、皇帝ネロ帝と黄金宮殿、そして今回のニュースで取り上げられた秘密の部屋はどんな世界なのか??というテーマでまとめます。初見の人でも歴史ロマンが伝わるように書けたらなあ!と思います😄
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まず、ローマ皇帝ネロとは何者??
これ、思い浮かべたね???
正解はこの人
クリロナ風のイケメンじゃん??と思うけど彼は「暴君」の異名を持つローマ皇帝(詳細はローマ帝国5代目、ユリウス=クラウディウス朝の最後の皇帝です)
彼の治世で歴史に残る重大な出来事は
- ローマの大火(64年)
- ローマの大火(64年)
- ローマの大火(64年)
でしょう。不謹慎だけど名前、かっこいい
厨二過ぎる世界史事件名はたまらないね
*炎に包まれる古代都市ローマ(かっこいいと思ってはいけない)
ここで人々の間である噂が広まります
「どうやらネロ氏はワイらの都ローマに放火したらしいンゴ。新しい都市を造るためにだってよ。これ、サイテーじゃね?」
放火犯=ネロの噂・悪評ですね
これを聞いたネロは
「いや俺やってねーーーし!ふざけんなよ??勝手な噂流行らせやがって。あ??」
これが真相かどうかはさておき、ネロ帝はイメージダウンと風評被害の拡大を恐れました
そして当時少数派のキリスト教徒たちの仕業として、ローマのキリスト教徒たちを次々と処刑します。(*ローマ帝国による最初のキリスト教徒弾圧とされてます)
「火葬で肉体を損なうと天国へ行けない」と考えるキリスト教徒を弾圧し処し、反キリストの代名詞となり、暴君の異名を与えられました
・・・と、多くの世界史学習者にとって暴君の印象の強い皇帝ネロ。実はローマの大火後には被災者の救済やローマ市の再建を積極的に行い、市民にとても受けがよかったとされてます(史料からの推測)
まず、木造建築の多かった当時のローマ市
「燃えにくい建築はなんかないの?」
と、ネロは考えました。
それがコンクリート建築
燃えにくいコンクリート建築にネロ帝着手します
完成したのが冒頭のドムス・アウレア(黄金宮殿)です。やっとここまできました
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ドムス・アウレア(黄金宮殿)はこんな
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「 誇大妄想的な巨大宮殿」とwikiに載るくらい大顰蹙を買ったコンクリート製の大宮殿とされてます
一般的には伝統的な木造建築が大半を占めるローマ市の中で、革新的な建築物と評価されてます
当時ローマ市は非常に密集した状態であったにもかかわらず、エスクイリヌスの丘(現エスクィリーノの丘)の斜面にテラスを造り、人工池(現在コロッセオがある場所)とこれを囲む庭園を見下ろす、すばらしい景観を眺めることができた
とwikiにも説明があったり
紀元64~68年に建設されたドムス・アウレアは、建物と庭園、人工の池から成る巨大複合施設。
しかし、ネロにはローマ中心部の大半を焼き尽くした64年の大火の際、弦楽器を奏でていたという逸話もあることから、後の皇帝によって埋められたり、公共用地に転用されたりした。
とニュースにも説明があります
いえるのは
結局、市民の味方だったの?敵だったの?
ローマの大火の被災者救済に積極的だったの?消極的だったの?
史料的限界により意見が分かれてしまうのが現状のようです
個人としては、ローマの大火の放火犯でもなく、被災者救済の慈善的な皇帝、そして大火の歴史から学び賢明な施策を打った皇帝としてネロ帝を考えてみたいですね。頑張れネロ帝。
さあ、そんなネロ帝のドムス・アウレア(黄金宮殿)に「秘密の部屋」が発見されたのが2019年のビッグニュースです
「秘密の部屋」はどんな??
ハリポタ的なね。【暴君ネロ帝と秘密の部屋】
茶番です
前提に以下の情報がありました
ネロが68年に死去した後、後の皇帝たちはネロの統治の痕跡を消し去ろうとした。皇帝トラヤヌス(Trajan)は、ドムス・アウレアを埋めて浴場を建設。
皇帝ウェスパシアヌス(Vespasian)は、池があった場所にコロッセオ(Colosseum)を建設する手はずを整えた。
現在、ドムス・アウレアの大半はローマの地下に埋まっており、これまでに発掘されたのはごく一部にとどまっている。
当時ネロの大迫害=黒歴史とされ(真相は不明のまま)、「やつの痕跡を揉み消そう!」という流れです。ドムス・アウレアはまだまだ発掘が進んでなかったんですね
そして今回のニュースにおいて
考古学チームは、秘密の部屋につながる穴を偶然発見。部屋は、ケンタウロスやギリシャ神話の神パン(Pan)などの神話に関する絵で彩られていたという。
チームはこの部屋を「サーラ・デッラ・スフィンジェ(Sala della Sfinge、スフィンクスの間)」と命名。大発見だと述べた。
この発見は「紀元60年代のローマの雰囲気」を垣間見ることを可能とするもの。部屋はとても華やかで、保存状態も非常に良好だという。
スフィンクスwwの間www
笑ったね???笑うところではない
小さな穴が見つかり、なんと部屋に繋がっていた発見!!!・・・かっこいいかっこよすぎる冒険心がMAX擽られる大発見です。RPGのダンジョンで隠し扉を見つけた比ではないですね
思ったより広々してんじゃん
↓ ↓ ↓
気になるところで、ギリシャ神話の「神パン」が記載されてますが、神がかったうま過ぎるパン(食べ物)ではないです
神パンとは牧人の神パーンのこと
(この神パーンとケンタウロスが描かれてたんですね)
こんな
素朴。以上。
はい。ひとまず今回の発見を通じて「古代ギリシャ神話の影響を多く受けた60年代の古代ローマ」という史実が浮かび上がりそうです
「部屋はとても華やか」という描写についても、発掘・研究が進めば「どのように?何が華やか」も見えてくる細やかな発見も見つかることでしょう
とにかく超面白い歴史ニュースでした。まだまだ史料的制約と限界がある古代ローマ史研究。全く新しく革新的な史実が浮かび上がるとするなら、習った教科書の記述も一新される可能性も十分あり得るでしょう。今後に期待ですね!!!以上!ネロ帝についてとニュースの紹介でした!
補足:ネロの次のウェスパシアヌ帝についてはこちらをどーぞ!