こんにちは、まこさん(@sHaRe_worlD_) です。世界史講師を4年ほど継続してます
講師の悩みってあるじゃん
受験世界史について受験生よりも熟知すべき責任がある一方・・・受験生の方が明らかに世界史の勉強に接する時間は多い・・・その結果逆転されてしまう現実・・・辛いですよね
そこでこんなツイートを以前しました
世界史講師の強化術🌎
— まこさん@世界史ブロガー (@sHaRe_worlD_) 2019年3月20日
1 受験世界史を完璧にする
2 「山川世界史小辞典」や「世界史リブレット」で深く学ぶ
3 「論文検索(CiNii)」でさらに深く学ぶ「例:オスマン期におけるエジプトの織物産業」
4 上記の受験世界史との位置付けを言葉にする
深く広く「知」を熟成させましょう😌🌎
つまり
世界史講師としてさらなるパワーアップを目指しませんか〜??
という提案です(がち)
プロフェッショナルな世界史の仕事を受け持ってる以上は、とことん指導力を磨きたいですよね
本記事では下記4点のポイントを解説して、世界史講師の強化術についてまとめます
- 受験世界史を完璧にする!
- 「山川世界史小辞典」や「世界史リブレット」で深く学ぶ!
- 「論文検索(CiNii)」でさらに深く学ぶ
- 上記の受験世界史との位置付けを言葉にする
想定する読者は「世界の指導はできるけど、いざ問題解いて下さいと生徒に言われると忘却がひどい・・・先生としてもう一度世界史を鍛えなおさなければあ!」という人です😌
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①:受験世界史を完璧にする
基本を疎かにすべからず
ですね。すごーく痛感してます
授業で忙しい日が続くと「授業の準備だけ」で数ヶ月が過ぎることもしばしば
先生とはいえ数ヶ月も触れずにいると、記憶から飛ぶ範囲がちらほらでてきます
これはガチ
世界史の先生としてレベルアップを目指すにあたって、大学受験の範囲は最低限復習し続けて本当の長期記憶にすると良いです(自戒)
いつどんな時でも生徒からの質問に対応できるよう、バイブル的な通史の本を徹底的に染み込ませます。受験生以上に、です
*僕の場合では受験当時から持ってる「通史のノート」を無限回読み返してます😌 ひとつでも図太い幹(通史)があると安心ですね
この受験レベルの総復習はあくまでも前提条件。下記記事に全てまとめたつもりですので、通史の総復習にお役立て下さい
▼世界史全般の勉強法はこちら
関連:大学受験『世界史』の独学勉強方法とおすすめの参考書決定版【偏差値30から東大早慶レベルへ】
▼センター試験の勉強法はこちら
関連:初心者が『世界史』のセンター試験で満点をとる独学勉強方法をまとめた!【偏差値30から神レベルへ】
▼早稲田の世界史はこちら
関連:早稲田大学の「世界史」の傾向と対策をじっくり解説【超高難度の通史を極めよう】
▼慶應の世界史はこちら
関連:慶應大学の「世界史」の傾向と対策をじっくり解説【天は人の上に人を造らず】
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②:世界史小辞典とリブレットで深く学ぶ
受験世界史以上に深い知識をつけていきます。どうしても受験世界史は薄く広くの状態で留まってしまいがちですね
世界史のプロである先生・講師が一歩踏み込んだ内容まで話せると、間違いなく生徒に頼りにされるでしょう。つまり受験世界史+αを目指します
そこでおすすめは『世界史リブレット』のシリーズと『山川世界史小辞典』です
世界史リブレットシリーズ
山川出版社の『世界史リブレット』は1冊は薄くてコンパクトな本です
でも、この本は受験生にあまり馴染みはありません
なぜなら『世界史リブレット』は1つの本題につき1人の専門家が概説を書く言わば専門書です
『近世ヨーロッパ』は東京大学名誉教授の近藤先生が描くリブレットです。簡潔な概説書とはいえその重みは読み応えあるものです
*ちなみに大学時代の僕の指導教授は『オスマン帝国治下のアラブ社会』を書いてるので、ちょっと覚えておいて下さい😌
山川世界史小辞典
『山川世界史用語集』は受験生の辞書代わりの書籍ですね。本書はその超上位互換的バージョンです。特に量ですねww
『世界史リブレット』は脚注がものすごく丁寧で解説も記載されてますが、この『世界史小辞典』で芋ズル式に新しい知識を吸収できます
その中でど〜〜うしても概説と照らし合わせて確認したい場合には『詳説世界史研究』もおすすめです
超分厚い教科書で、受験世界史を研究する立ち位置の人にとっては持っておいて損はない本です
↓ ↓ ↓ ↓
詳説世界史研究
③:「論文検索(CiNii)」でさらに深く学ぶ
「CiNii Articles 」をご存知ですか??
こちらは国立情報研究所が運営する学術論文や図書・雑誌などの学術情報データベースです
研究者たちの研究成果をオンライン上で閲覧できる素晴らしいページです
上記①と②の工程の中で「興味もあるし、もっと詳しく知っておきたいな」「得意分野をもっと掘り下げて生徒にわかりやすく背景を伝えたいな」と思うキーワードがあるはず
*そのキーワードを入力します(本記事では今僕が調べてる「オスマン帝国」で検索しました)
*このような検索結果ページに移ります
このページから最も興味をそそる論文タイトルをクリックする。すると論文にアクセスできるHPへと移ります。(研究所HPや大学HPであることが多いですね)
*僕は近世オスマン帝国に関心があったので「オスマン帝国の慈善と救貧」についての論文をダウンロードしました😌慶應大学の藤木先生ですね!
このように、受験世界史の興味や関心を掘り下げることは、深い造詣を養う素晴らしい方法です
「CiNii Articles 」を沢山用いて下さいね。研究者たちの「知」の宝庫です
④:受験世界史との位置付けを言葉にする
論文をリサーチして読むことで、歴史学の最先端の専門的な知識を得ることができます
ここで得られた知識を「現場の世界史指導の中に位置付けるか??」を考えてみましょう
例えば「オスマン帝国の事前と救貧」についての論文を読んでみると、教科書に記述の無い近世オスマン帝国の実態がわかってきます
- オスマン帝国内の一般の人はどのような生活をしていたのか?
- オスマン帝国内の社会は具体的にどのようなものだったか?
- オスマン帝国のワクフ(寄進)を中心とした慈善・救貧活動の実態はどんなだったのか?
について上記論文を読むと理解が深まります。論文には専門用語が多くあり、その都度辞典や検索でも調べて、脈絡とした知の連鎖を作りだしましょう
論文内容と受験世界史の「位置付け」は最初は難しいものです。そこでシンプルに、指導する中での「補足」で話すとウケがいいですね😌
世界史指導では、「オスマン帝国」は1299年に誕生。戦争で領土を広げてコンスタンティノープルを占領し、最盛期を迎える。そして衰退へと向かって「瀕死の病人」と呼ばれる・・・のように進めますね
そこで
「あっそういえばね・・・実際の社会の中にはね〜〜こんな人がいて〜〜物乞いをしててだね〜〜。でも物乞いの人を助けるシステムがあってだね〜・・・」
という感じに、補足的な追加情報としてレクチャーしましょう。研究者による研究と受験世界史を繋ぐことができます
こうした具体的な社会の実態の話は教科書を説明するより断然イメージが湧きやすいです。また、ちょっとした脱線話は「覚えなくてもいいんだ」という程よい脱力と合間って、生徒は興味を持ってくれやすいのです😌
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まとめ:橋渡しになろう
本記事の要点をおさらいすると
- 受験世界史を完璧にする
- 「山川世界史小辞典」や「世界史リブレット」で深く学ぶ
- 「論文検索(CiNii)」でさらに深く学ぶ
- 上記の受験世界史との位置付けを言葉にする
です!
指導者であっても触れ続けなければ世界史を忘れてしまうし、生徒にも追い抜かれてしまう!という危惧のものと記事にてまとめてみました
インバウンドのデジタルマーケの仕事して世界史も指導してますが「うぉお・・なんだったっけ??忘れたorz」ってことが多々あります😢社会の講師は「忘却」と向き合って絶えず脳内アップデートを繰り返す想像以上にストイックな職業ですね😌
— まこさん@世界史ブロガー (@sHaRe_worlD_) 2019年3月19日
このツイートのように、社会の先生・講師は「忘却」と向き合って 脳内アップデートを繰り返す想像以上にストイックな職業だなあと痛感してます
ましてや本記事では単なる「忘却」の埋め合わせではなく、世界史講師としてよりパワーアップする方法です
ストイックさの観点でみるとより過酷なものとなりますが、試してみる価値は十分にあります
ぜひ参考にしてもらい、高校世界史の現場と最先端の世界史研究を繋ぐ橋渡し的な存在になりましょう😌