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世界史の「船」のかたちの変わり方と交易ルート【受験世界史解説】

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世界史では、人をはこぶ「船」が主役になって描かれる時があります

 

主役の「船」が人を導いて、ある時は海上の戦争を、ある時は新大陸の発見、ある時は海上の交易が大海原で繰り広げられました

 

こんな曲がぴったりですね(ワンピース)

www.youtube.com

 

 

本記事では、受験世界史で必須の「船」とその特徴を中心に解説していきます

 

 

時代と必要性によりかたちを変える「船」ですが、どうして変える必要があったのか?を考えながら読むと、内容がしっくり入ってくるでしょう!

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三段櫂船@古代ギリシャ

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三段櫂船 - Wikipedia

 

古代ギリシャの船!!

 

ペルシア戦争のサラミスの海戦で、無産市民(市民の権利をもってるけど、財産が少ない人たち)が漕ぎ手になってのりまわして活躍しました

 

 漕ぎ手の無産市民が戦争で活躍すると、どうなるでしょうか

 

「あれがいい!」「これがいい!」と主張できなかった無産市民ですが、戦争で結果のこすと発言力がつよまりますね

 

結果を残したからには、えらい人はぐうの音も出ないですからね...こうしてアテネの民主制が徹底されていきます

 

*ちなみに、「三段櫂船(さんだんかいせん)」って読みます!

 

意外と読めないし、書けないのであなどれないですよね。ある年の慶應義塾大学の文学部の入試では、記述で出題されました(いやえぐい)

 

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ダウ船@アラブ世界

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世界史の窓、ダウ船

 

シンドバットの船?!

 

を連想させるアラビアの船です

 

ダウ船は、紅海、アラビア海、インド洋の海原を駆けめぐるムスリム商人(アラビア商人)がつかってた船です!お〜〜っきな三角帆が特徴!

 

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地域別交易路/インド洋周辺・東南アジア - えびのキバ

 

このように、インド洋の季節風(モンスーン)にのって、大海原を移動して、海のシルクロードとも呼ばれるルートが確立しました

 

◯カーリミー商人の存在

また、10世紀にファーティマ朝の首都カイロに政治・経済の中心が移動すると、そこから紅海からインド洋が交易ルートとして栄えました。

このカイロを拠点に交易をバンバン行った商人のことをカーリミー商人といいます。

 

*「ダウ船」の名前は、イブンバットゥータがインドのカリカットに入港する中国のジャンク船の3つの分類のなかでの、中くらいのサイズ「ザウ」に由来するとのこと

  

「ダウ船」2つのポイント

  • 三角帆
  • イスラーム商人
  • 8世紀〜

 

ジャンク船@中国

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Pinterest | Boat, Sailing ships and Sailing

10世紀以降、中国の宋からはじまる中国商人の海外交易活動が活発になりました

 

その中国商人たちが使ってた船を「ジャンク船」と呼びます’

 

特徴は、三本マストと角形の帆で、木製なところです。さらに中国商人たちは、新発明の「羅針盤」を巧みに運用し、ひろ〜〜いインド洋を航海して交易してました

 

 

*この時に注意したいのは、8世紀にムスリム商人が先行してアラビア海で海上貿易を行っていたこと!

ついで10世紀後半から11世紀に中国人商人は交易ビジネスに進出しました

 

よく入試問題ではこの順番が問われるので、チェックしておきましょう!

 

「ジャンク船」2つのポイント

  • 三本マスト
  • 中国商人
  • 10世紀〜

 

 

 キャラック船

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Carrack | SVM Shipping Blog

 

いよいよ大航海時代!

 

超高価な香辛料(スパイス)はヨーロッパの人々を大海原へ駆り出しました

 

ただ、大西洋が舞台になるのは、これまでの中国商人・イスラーム商人とは全く違います

 

大西洋の上は、荒波・暴風が激しいので、それに耐えられる船が必要になりました。そこで誕生したのが、キャラック船です

 

 

コロンブスやヴァスコ・ダ・ガマ、マゼランなど、新大陸の発見の偉業を成し遂げた大航海時代の主役たちがのってました

 

関連:『大航海時代』はすげーカッコイイけど「社会の現実」を教科書は教えてくれないって話

 

 

ガレオン船@スペイン 

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キャラック船をアップデートしたのが、ガレオン船 !!(大砲がいかついね!!)

 

 このガレオン船は遠洋航海術が発達した大航海時代のスペインで開発され、3〜4マストの大型帆船です。(まさにワンピースの世界)

 

16〜18世紀に発展したこのキャラック船は、数段の甲板があり、一段につき数十門の大砲を並べることができました

 

16世紀後半〜17世紀には、イギリスの私掠船による海賊行為だったり、スペインからの独立を求めたオランダ戦艦の攻撃をうけて、ガレオン船は被害をうけるように...

 

そんな攻撃の側面は植民地争奪戦で目立つようになり、戦闘艦艇として使用されました

 

◯ガレオン貿易

ガレオン船をつかって、スペイン領のフィリピンのマニラとメキシコのアカプルコを結んだ貿易のこと!

 

この貿易では、マニラ拠点のスペイン商人は、中国の福建から絹織物・陶磁器をメキシコに運びました

 

で、メキシコ銀を大量にスペインに持ち帰りました 

 

受験の90%以上はこの2つ!  

受験世界史に登場する「船史」の中で、ほぼ必ず出題されるのは...

 

「ダウ船」と「ジャンク船」

 

この2つはインド洋の交易で存在感を発揮しましたが、ごちゃごちゃになりがちなんですね...

 

もう一度整理すると...  

「ダウ船」2つのポイント

  • 三角帆
  • イスラーム商人
  • 8世紀〜

  

「ジャンク船」2つのポイント

  • 三本マスト
  • 中国商人
  • 10世紀〜

 

ですので、 フラッシュカードの表と裏に「ダウ船」と特徴、「ジャンク船」と特徴をそれぞれ書き込んで覚えてしまいましょう!