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アラブの大歴史家「イブン・ハルドゥーン」は頭キレッキレ!【歴史の目的はその法則性の発見にある】

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「好きな『世界史』キャラを挙げて! 」の質問に、

必ず出でくるのが『イブン・ハルドゥーン』って人!

今回は、彼の 『生き様』と『名言』をシェアします

彼のような壮大な世界観を持てる人が出て欲しいなって気分で書きますね

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イブン・ハルドゥーンって何者?

中世アラブ世界に生きた大歴史家、そして政治哲学者のイブンハルドゥーン 

 

彼の生涯について、1332年に今のチュニジア(当時のハフス朝)に生まれ。

モロッコ(マリーン朝)、アルジェリア(ザイヤーン朝)、カイロ(マムルーク朝)やスペイン(ナスル朝)のセビリアなど幅広いフィールドで活躍しました

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出典:إقرأ ما كتبه ابن خلدون وتنبأ به بما يحدث في أيامنا | البوابة

『世界史』では北アフリカのこれら王朝ってあまりピックアップされてませんね

『北アフリカ三国時代』とも呼ばれたりして、中国の三国時代とは文脈は違えど、三つ巴的な争いは地域と時代を超えて繰り広げられてました

 

*ハフス朝の国旗!疾走と走る馬のシルエットがイケイケすぎる

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北アフリカのモロッコ・チュニジアは観光地としても今では魅力的!

でも、特にスペインのセビリアの街は、建築様式がイスラームとスペインが入り混じって一際美しく、暑い陽射しの照るアンダルシア地方を代表する隠された街です。

*こんな感じ!(アンダルシアのひまわりは綺麗なんですよ〜)

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イブン・ハルドゥーンの思想的な名言を紹介したい

イブン・ハルドゥーンは、記念碑的な書物、『歴史序説』で最も有名!

 

人間社会や文明の本質をふまえた歴史叙述の必要を痛感し,みずから「文明の学問」を創始した。

彼の大著『歴史』のうち,歴史に関する理論的な思想体系を述べた序論と第一部が,『序説』として独立して広く読みつがれてきたのが本書である.

参考:Amazon

 

 『歴史序説』では、文明の興亡が、都市生活を基盤とする「都会」と遊牧的生活を基盤とする「田舎」っていう2つの社会の相互の作用によって描かれてます

 

著書の冒頭には・・・・

まさに歴史は、人間社会ーそれこそ世界の文明であるーについての報告である。

歴史は文明の本質に関わる諸状態、たとえば、野蛮性と社交性、連帯意識、人間のある集団が他の集団を支配するためのさまざまな方法、それから生ずる王権・王朝、それに関わる各種の身分、さらに人間が自らの活動と努力によって追求する所得・生計・学問・技術、その他のこの文明の中に本質的に生ずるすべての状態を取り扱う。

引用:『歴史序説』

 

彼によると、王権が成立するプロセスは、砂漠の厳しい環境に生きてる「田舎」の人たちの中で、お互いに協力して生きていく『連帯意識(アサビーヤ)』が強化されます

 

で、この厳しい環境を抜け出したら「都会」の豊かな生活を獲得するに至るって流れ!

 

「田舎」から「都会」へ、そして王権の誕生

王権(国家)の盛衰に関しても、鋭い分析を加えてます

  • 強い連帯意識(アサビーヤ)に支えられる第1世代
  • 奢侈と安逸から連帯意識(アサビーヤ)が弱体化する第2世代
  • 完全に連帯意識(アサビーヤ)を喪失した第3世代

3世代=120年のサイクルで、国家は滅亡すると考えてました

国家はどのように生まれて、どんな要因で発展して、何が原因で衰退していくのか

14世紀の時代(日本では鎌倉時代)に、彼はこの疑問を詳らかにしたのです

ネットも無い社会で、上から国家をみる視点を持ってたなんて頭キレッキレすぎ!

歴史を勉強する意味についても言及

『歴史序説』の詳しい内容については、手にとって確かめてくださいね

 

彼は人間社会を俯瞰し、社会学の発展に貢献した一方で、

人類の英知としての『格言』を残しています

歴史の目的は、その法則性の発見にある。

国家の盛衰の法則(パターン)を明らかにしたイブン・ハルドゥーン 

 

歴史を『人間社会についての報告』とした理由も、法則性を見出すことが最終的な目的だったのです

  • 昔において、どんな状況であったのか?
  • 今において、どんな状況にあるのか?
  • 未来において、どんな状況に変わりうるのか?

特に、法則性(パターン)をあぶりだすことで、未来をも予測できます

例えば、テクノロジーの発展が人々の仕事を奪って代わるものになった事実は、『世界史』の中では常に起こり続けてます。これも1つのパターンでしょう

 

未来の生きる社会がどんな状況に変わるのかについて、

ハルドゥーンは法則性(パターン)を見出して講演していたとされます

 

「歴史ってやる意味あるの〜〜〜?」って高校生!

イブン・ハルドゥーン先生は、全てを教えてくれたぞ

答えの無い人間社会では、昔の出来事から可能な限りの法則性(パターン)を読み取って、その先の未来を予測して、今を行動する必要がある

 

胡散臭い人は、「歴史は流れだ〜!」ってよく言うんだけど、

『過去』から『未来』に流れを感じる真の大切さを、ハルドゥーンは教えてくれます

『時代を先読む力』を養いたい人は、必見の書物でしょう