『プリン=幸せ』
幸せってお金で買えないと思ってたけど、いや買えるじゃん!?って思う瞬間。
プルップルの口触りと、バニラ香る濃厚な卵とカスタードのハーモニー。
そもそもおまえ何者やねん!!
って不思議に思ったのでプリンの歴史を調べてみましたー
今よくみるぷるぷるプリンの原型はもともとは全く違ったものかもしれません
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詰め物がそもそも語源だ!
プリンとソーセージはまさかの組み合わせ?!って思うかもしれないですが、
プリンの言葉「プディング」はもともと古英語で詰め物を指す言葉なんです。
中世ヨーロッパでは、今のような冷蔵庫は無いですよね〜
屠殺した豚は、食用といえども、すぐに臭くなって腐ってしまう。
で、塩漬けにする保存食が発明されて、ソーセージのかたちになりました。
「詰める料理」という意味合いで「プディング」が使われてました。
ちなみに上のような写真の「プディング」は、「ブラック・プディング」と呼ばれてますね。
そんな初期プディングですが、動物の腸を使ってるため、シーズンのオン・オフに大きく左右さえたんです。つまり、狩猟シーズンのみ作ることができて、希少で値段も高かったことが推測されるでしょう。
で、腸ではなく「布」を使ってプディングする方法が代わりになりました。
肉は完全栄養で、下層市民にも愛される経済的な食料品としてポジションを確立したのです!
船乗りたちの非常食がはじまり!
さらに「プディング」は進化をとげる運命にあったのです。
あの大航海時代を経てイギリスは大国スペインと激突します、大西洋の覇権をかけて!
スペインの無敵艦隊アルマダに対抗すべく、イギリスも勢力を増強させます。
当時のイギリス王女はエリザベス女王。イギリス史の中で最も影響力のあった一人ですね。
死活問題だったのが、船乗りたちのエネルギー源としての食料です。
地上のようにいつでも食料を調達できない状況下で、船乗りたちの知恵が花咲きます。
「そこの肉と野菜のかけらと卵液を混ぜて、蒸せば食える料理できるんじゃね?!」
とある船乗りによる鶴の一声ならぬ発言が炸裂しました。
あまった食材で、多くの水兵たち分の、保存のきいた料理の誕生です。
日本語で無理やり翻訳するならば、「茶碗蒸し」です。
卵液とたっぷりの肉、野菜、果物の混ぜ合わせ蒸し料理ですね。
本来の詰め物料理から蒸し料理になった瞬間でもありました。
いずれにせよ「保存食」として機能していた「プディング」だったのです!
クリスマス・プディングが近い原型?!
船の上で生まれた「プディング」は地上へと上陸します。
「保存食」として具材をつめこんだものから、よりシンプルなかたちへと変貌をとげるのです。
推測するにおそらく、産業革命期のイギリス!
アフタヌーンティーの文化が生まれたころ!
しょっぱさだけの料理だけでなく、甘いスイーツの顔も持つようになるのです。
具材もとてもシンプルで、卵と牛乳だけの時もあったのです。
この時点で、お馴染みの「カスタードプディング」に近いものかもしれませんね!
で、「スイーツ・プディング」として1番はじめに生まれたのが、クリスマスプディング!
もともと中世の頃のパイの調理方法と「プディング」製法が合わさったものとされてます!料理の発展の仕方は実におもしろい!このように、クリスマスの宗教的なイベントと保存食の「プディング」が合体するにいたりました。
プラムを中心としたブランデー漬けのドライフルーツがふんだんに使われ、卵、砂糖、小麦粉、クルミなどのナッツ類やナツメグ、シナモンなどの香辛料が合わさった、伝統スイーツが完成します!
しっかりと固形にするために「牛脂」が使われるのがポイント!
「プディング」の原型だった詰め物料理の遺伝子が受け継がれているのです!
レシピはこちら:
クリスマスプディング by 英国大使館 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが285万品
日本に伝わった!!
プリンが日本に伝わるのは、江戸時代後期から明治時代の初期を待たなければなりません。
文明開化の最中、数多くの西洋文化が入ってきた中、
「プディング」の存在もそこにありました。
『西洋料理通』(1872年)の文献の中で、「ポッディング」と表記され、
日本人にも発音のしやすい「プリン」と発音されるようになったのです。
日本では、食事プディングは「茶碗蒸し」、スイーツプディングは「プリン」と区別して呼ばれてますね。起源をたどってみると、食事プディングこそ「プリン」の原型があったことがわかってきました。
牛乳・卵・砂糖しか使わないシンプルなプリンは、みんなの大好物。
でもでも、食事プディングの製法を少しだけ取り戻してみるとおもしろいかも。
いちごやブルーベリーなどのフルーツを混ぜ込んだり、
ホイップクリームやチョコレートなどのトッピングもしてみたり。
詰め物製法だった頃の「具」の存在をもっと光らせてもいいかも!
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「プリン・ア・ラ・モード」
になっちゃったじゃないか!!
料理は、その時代に合わせていつも変わり続けます。
複雑な料理スタイルはシンプルなものへと、そして逆もしかり。
「プリン」ひとつとっても、日本以外の場所ではもっと違う姿で進化しているかもしれません。アラブのプリンや中国のプリン、アフリカのプリンなどなど。
もっと、もっと、プリン史をたどってみたい。
そんな歴史欲にられてしまった報告で、さようならです。
焼プリン食べてきます。大好き。あいらぶゆーべいビー。